
地球温暖化の影響で、年々深刻化する「熱中症リスク」
近年、地球温暖化の影響により、夏の猛暑が常態化しています。特に日本では、35℃を超える「猛暑日」が増加傾向にあり、高齢者や子どもを中心に熱中症の被害が多発しています。
環境省の発表によれば、2024年の夏は過去10年間で最も熱中症による救急搬送者が多かった年のひとつとなりました。
こうした中、私たちの暮らしを守るために、行政、企業、そして個人によるさまざまな熱中症対策の取り組みが進んでいます。
行政が動く:避難施設や暑さアラートで市民を守る
◆ 「クーリングシェルター」で涼を確保
東京都をはじめとする各自治体では、図書館やコンビニ、区役所などを「クーリングシェルター(暑さ避難施設)」として登録。熱中症の危険が高い日に、高齢者や子ども、妊婦などが一時避難できる場を提供しています。

写真: 千代田区ホームページ
◆ 「熱中症警戒アラート」が命を守る
環境省と気象庁が発令する「熱中症警戒アラート」は、気温だけでなく湿度や日射を加味した暑さ指数(WBGT)に基づいて発信。警戒日には外出自粛や水分補給の呼びかけが強化されます。
◆ 都市の「ヒートアイランド対策」も加速
大阪市などでは、道路への遮熱舗装やミスト装置の導入により、都市部の熱を抑える試みが進んでいます。打ち水イベントも復活し、市民とともに暑さを和らげる工夫が見られます。
現場と学校も:テクノロジーで命を守る
◆ 建設現場でのAI見守り
清水建設などの企業では、作業員に体温センサー付きのウェアラブル端末を配布し、AIが体調の変化をリアルタイムで分析。危険が迫った場合には即座に休憩を指示する仕組みが導入されています。

写真: 清水建設ホームページ
◆ 学校では「暑さ指数」で活動制限
文部科学省のガイドラインにより、WBGT(暑さ指数)が28℃を超える日は部活動を中止するなど、子どもの命を守る措置が全国の学校で採用されています。
個人の意識と工夫がカギ
◆ 高齢者見守りセンサーで“室内熱中症”に備える
一部自治体では、ひとり暮らしの高齢者宅に温湿度センサーを設置し、異常な室温になると家族や福祉関係者に自動通知する仕組みを導入。室内熱中症の予防に役立っています。

写真: やさしい手オンラインショップ
◆ 自宅でできる簡単な暑さ対策
- 遮光カーテンや断熱フィルムで室内温度の上昇を防ぐ
- スマートエアコンやサーキュレーターで効率的に冷房
- 水や塩分をこまめに補給(1日1.2〜1.5Lが目安)
- 冷感タオルやネッククーラーなどの暑さ対策グッズも有効
まとめ:熱中症は「予防がすべて」
熱中症は、事前の対策によって大きくリスクを減らすことができます。
気象情報をこまめにチェックし、「暑さを我慢しない」ことが何より重要です。
今年も猛暑が予想されています。家族や地域の人たちと声をかけ合いながら、命を守る行動を意識していきましょう。
関連リンク: 環境省熱中症予防情報サイトhttps://www.wbgt.env.go.jp/sp/
気象庁https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/heat_alert.html
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